蒲田黒湯温泉 ホテル末広

東急蒲田駅の南出口にビジネスホテルが建つ。昭和の印象を覚える建物だ。入口付近に掲げられた看板から温泉を提供していることが分かる。




入ると正面に受付がある。こちらで利用の手続きを行うと、ロッカーの鍵が渡される。男湯は向かって左だ。ステンドガラスのような飾りが用いられた扉を開けると脱衣所だ。
履物を箱に入れる。指定の脱衣ボックスを開け衣服をしまう。脱衣ボックスは扉の中央部が透明で、中の様子が分かる。洗面台にはドライヤーなどが揃う。透明ガラスの向こうは浴室だ。




中央に浴槽、左手に洗い場が並ぶ。左手奥にはサウナが用意されている。湯口は2つある。ライオンの口から供給されているのは水のようだ。円の筒が横にずっりと並んだ湯口からは熱めの湯が注がれている。浴槽に満たされているのは黒い湯だ。

指を湯面下に沈めるが指先は見えない。透明度はないに等しい。身を沈めると包まれている浴感を覚える。やや熱めだ。手に救うと臭いを感じる。例えようのない個性を持った臭だ。何か生薬の一種にでもありそうな臭いだ。唇に触れる限りにおいてこれといった味を湯から獲得することはできない。




掲示によれば循環式だが、浴槽からは少量の湯が洗い場へ流れ去っていく。洗い場には白湯が供給されている。黒湯は浴槽にのみ供給されいるようだ。

浴場がある1階のロビー奥にはテーブルと椅子が置かれた場所がある。お冷のサービスを受けることができる。壁には古い写真の複製が掲示されている。長い歳月、蒲田で温泉宿を経営していたことが窺える。




壁の写真を眺め湯上りの冷水でほてりを冷ましながら過ごしていると、アナログ時代に戻れるような気がした。


蒲田黒湯温泉 ホテル末広
東京都大田区蒲田8-1-5
03(3734)6561 HP
ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物冷鉱泉
17.4℃
シャンプー類あり ドライヤーあり
内湯
1100円
6:00~9:00・12:00~24:00
2016/7/30